
2009年5月30日月曜日 初版発行
戦争で故郷を追われたぼくたちが命からがらたどりついたのは、
夏は暑く、冬は寒い東の国。
食料はとぼしく、土をかためた床の上で眠る毎日に、
あるとき、おとうさんは……。

ファン待望!
シュルヴィッツの新作は、彼の原体験を正面から描いた感動的な絵本。
「絵本作家誕生秘話」ともいえる作品です。
1935年、ワルシャワに生まれたシュルヴィッツは、4歳のとき戦火を逃れ、
家族とともに当時のソ連へと移り住みました。
ソ連で暮らした6年間の
ほとんどは、中央アジアのトルキスタン
(今のカザフスタン)で
暮らしました。
本書は、シュルヴィッツ少年が4歳か5歳、
トルキスタンで暮らしはじめたころの物語です。
夏は暑く、冬は寒い見知らぬ土地。食料は乏しく、
よその夫婦とともに
暮らす小さな部屋にベッドはなく、土をかためた床の上で眠る毎日……。
そんなある日、市場へでかけたお父さんは1枚の世界地図を買ってきます。
空きっ腹を抱えたシュルヴィッツ少年は、パンではなく、
地図なんて
買ってきたお父さんに腹を立てますが、ひとたび壁に貼られた地図を
見ると、
たちまち魅了され、心の旅へと飛び立ちます。
一片のパンよりも、
心を満たすことの大切さを教えてくれたシュルヴィッツのお父さん。
そして、その心を理解して成長し、後に絵本作家となった息子の
すてきな親子の物語。
2009年コルデコット賞銀賞受賞作です。
編集部